

人権リスク対応と内部不正対策の統合的アプローチ (第1回)
人権リスク対応は主に労務管理やサプライチェーン上の人権課題に焦点を当て、一方の情報持ち出し対策は情報セキュリティや内部統制の問題と見做されてきた。だが実際には両者は密接に関連しており、統合的に設計・実行することがリスクマネジメント上極めて有効である。
6 日前読了時間: 4分


経済安全保障における技術流出対策とは -経済安全保障ガバナンス-(第6回)
企業の技術流出対策の強化は、もはや特定の防衛関連企業に限られた課題ではない。
AI、半導体、量子技術、バイオなどの先端技術や、個人・産業データを扱う企業にとっても不可欠な経営課題である。グローバルな競争や地政学リスクの高まりに伴い、技術流出は企業の存続を左右するだけでなく、国
5月2日読了時間: 2分


経済安全保障における技術流出対策とは -世界水準の技術流出対策-(第5回)
世界レベルでの技術流出対策に共通する特徴は、情報管理や社員教育の徹底を基盤とした多層的かつ予防的な防御体制を構築している点にある。中でも注目されるのが、韓国のサムスンにおける取り組みである。同社は巨額の研究開発投資に並行し、機密情報の保護を重視して早くからアクセス管理体制や社内統
4月25日読了時間: 4分


経済安全保障における技術流出対策とは -合法的手段への対策-(第4回)
より深刻な課題は、投資買収、不正調達、留学生・研究生の送り込み、共同研究・共同事業など、一見すると合法的な経済活動の形をとった技術流出だ。特に、通常取引における試作品の貸与、技術指導、工場見学などは、日常業務の一環であり、正当な理由付けがあるため、企業側の警戒心も緩みやすい。
4月18日読了時間: 7分


経済安全保障における技術流出対策とは -人的脆弱性への対応-(第3回)
技術流出対策を進めるうえで、しばしば見落とされがちなのが「人を介して起きるリスク」、すなわち人的脆弱性である。とりわけ、高度なアクセス権を有する研究者やエンジニアが、金銭的な困窮、不満、あるいは外部組織からの接触などを抱えたまま勤務を続けている場合、意図的・非意図的を問わず、企業
4月11日読了時間: 4分


経済安全保障における技術流出対策とは -対策の全体像-(第2回)
企業が技術流出を防ぐための対策は、以下のような段階的なプロセスで整理できる。この流れ自体は情報セキュリティやコンプライアンスの分野とも共通するが、「経済安全保障」の観点を加えることで、優先順位の付け方や具体的な対策手法は大きく変わってくる点に留意する必要がある。
4月3日読了時間: 5分