不正の大きな要因である「内部」による不正を防ぐために、企業が人権リスク対応と内部不正対策を統合し、人権上の配慮とセキュリティ管理を両立させ、組織全体で一貫したリスク対応を行わなければならない。

人権リスク対応は主に労務管理やサプライチェーン上の人権課題に焦点を当て、一方の情報持ち出し対策は情報セキュリティや内部統制の問題と見做されてきた。だが実際には両者は密接に関連しており、統合的に設計・実行することがリスクマネジメント上極めて有効である。

企業の技術流出対策の強化は、もはや特定の防衛関連企業に限られた課題ではない。 　AI、半導体、量子技術、バイオなどの先端技術や、個人・産業データを扱う企業にとっても不可欠な経営課題である。グローバルな競争や地政学リスクの高まりに伴い、技術流出は企業の存続を左右するだけでなく、国