top of page

INSIGHTS
実務家による示唆。
インテリジェンス・経済安全保障に関する分析と論考。
経済安全保障の基礎知識(第3回)
経済安全保障の基礎知識(第2回)では、なぜ各国が経済安全保障に力をいれるようになったのか、その背景について説明した。3回目の今回は、日本における経済安全保障の基本的枠組みについてお話ししたい。
2 日前
インテリジェンス基礎理論(第3回)
情報活動は、思いつくままに情報を集め、分析する活動ではない。一般に、情報要求→収集→処理→分析・作成→配布→意思決定という一連の流れによって行われる。これを「インテリジェンス・サイクル」という。
まず、意思決定者が「何を知る必要があるのか」という情報要求を示す。それに基づいて必要な情報を収集し、分類・整理などの処理を行い、分析してインテリジェンスを作成する。それを意思決定者へ提供し、政策や経営判断に役立てる。そして、情勢の変化や意思決定によって新たに知るべきことが生じれば、次の情報要求が出される。
ここで重要なのは、サイクルの出発点となる情報要求である。何を知りたいのかが曖昧であれば、どれほど大量の情報を集めても、意思決定に役立つインテリジェンスにはならない。
9月15日
第2回 企業インテリジェンス(インテリジェンス・サイクルの企業実装)
テレビや新聞、インターネットで日々流れるニュースも、扱い方しだいでインテリジェンスへと転じる。たとえば2021年3月、大型のコンテナ船がスエズ運河で座礁し、1週間近くにわたって航路を塞いだ出来事があった。多くの視聴者にとっては数あるニュースの一つでしかない。だが、その運河を物流の動脈とする企業にとっては話が別だ。自社の調達や納期にどんな打撃が及ぶのかを、インテリジェンス部門は直ちに読み解かねばならない。その分析から、いま何をすべきかという「示唆」と「打ち手」が立ち上がる。経営者が判断を下せる水準まで練り上げられたとき、一つのニュースはインテリジェンスへと昇華する。
9月10日
経済安全保障の基礎知識(第2回)
経済安全保障の基礎知識(第1回)では、経済安全保障の定義と日本の経済安全保障のポイントについて述べた。2回目の今回は、なぜ各国が経済安全保障に力をいれるようになったのか、その背景について説明したい。その要因は、主に「グローバリゼーション」、「技術革新の進展」、「新興市場の台頭」、「サプライチェーンの変革」、「持続可能性への注力」、「金融市場の複雑化」、「人口動態の変化」など7点に集約される。ここで簡単に整理してみよう。
9月4日
インテリジェンス基礎理論(第2回)
前回は、インテリジェンスとは「判断や行動に役立つ知識」であると説明した。しかし、インテリジェンスという言葉は、知識だけを意味するものではない。
CIAの元情報分析官シャーマン・ケントは、インテリジェンスとは「知識であり、活動であり、組織である」と定義している。つまり、インテリジェンスには、意思決定に役立つ知識という意味のほかに、それを生み出す情報活動、そして情報活動を担う情報組織という意味がある。
今回は、このうち情報活動について解説する。
8月14日
第1回 企業インテリジェンス(総論)
「インテリジェンス」という語からまず連想されるのは、スパイによる諜報の世界だろう。その原型は、日本の歴史のなかにも見いだせる。戦国の世に「乱波・透波(らっぱ・すっぱ)」と称された忍びの者たちは、行商人や町人を装って敵方の内情を探った。兵力で大きく劣ると目されながら、織田信長が奇襲で今川義元を討った桶狭間の合戦(1560年)でも、信長方の忍びが義元の動きを事前に嗅ぎ取っていたことが勝敗を分けたと語り継がれている。時代が下った二度の世界大戦においても、電波の傍受をはじめとする諜報が戦局の裏側で機能した。これらはいずれも、表に出ることのない「ウラ」の営みにほかならない。
8月10日
経済安全保障の基礎知識(第1回)
中国の台頭により米国による一国支配が退潮しつつある中、イスラム原理主義勢力によるテロリズムの発生や新型コロナウィルスCOVID-19のパンデミックなどを契機として、これまでの軍事偏重の安全保障論が多様化して新しい安全保障という概念が注目されるようになった。そのうちの一つが「経済安全保障」である。
8月5日
インテリジェンス基礎理論(第1回)
情報とは、インテリジェンスを作成するための生材料である。新聞やテレビで報じられるニュースは、その代表例だ。一方、インテリジェンスとは、政策決定者や経営者などの意思決定者に役立つよう、情報を専門的に処理・分析して得られた知識である。
AI、半導体、量子技術、バイオなどの先端技術や、個人・産業データを扱う企業にとっても不可欠な経営課題である。グローバルな競争や地政学リスクの高まりに伴い、技術流出は企業の存続を左右するだけでなく、国
7月14日
経済安全保障における技術流出対策とは(第6回)
企業の技術流出対策の強化は、もはや特定の防衛関連企業に限られた課題ではない。
AI、半導体、量子技術、バイオなどの先端技術や、個人・産業データを扱う企業にとっても不可欠な経営課題である。グローバルな競争や地政学リスクの高まりに伴い、技術流出は企業の存続を左右するだけでなく、国
7月9日
経済安全保障における技術流出対策とは(第5回)
世界レベルでの技術流出対策に共通する特徴は、情報管理や社員教育の徹底を基盤とした多層的かつ予防的な防御体制を構築している点にある。中でも注目されるのが、韓国のサムスンにおける取り組みである。同社は巨額の研究開発投資に並行し、機密情報の保護を重視して早くからアクセス管理体制や社内統
7月9日
経済安全保障における技術流出対策とは(第4回)
より深刻な課題は、投資買収、不正調達、留学生・研究生の送り込み、共同研究・共同事業など、一見すると合法的な経済活動の形をとった技術流出だ。特に、通常取引における試作品の貸与、技術指導、工場見学などは、日常業務の一環であり、正当な理由付けがあるため、企業側の警戒心も緩みやすい。
7月9日
経済安全保障における技術流出対策とは(第3回)
技術流出対策を進めるうえで、しばしば見落とされがちなのが「人を介して起きるリスク」、すなわち人的脆弱性である。とりわけ、高度なアクセス権を有する研究者やエンジニアが、金銭的な困窮、不満、あるいは外部組織からの接触などを抱えたまま勤務を続けている場合、意図的・非意図的を問わず、企業
7月9日
経済安全保障における技術流出対策とは(第2回)
企業が技術流出を防ぐための対策は、以下のような段階的なプロセスで整理できる。この流れ自体は情報セキュリティやコンプライアンスの分野とも共通するが、「経済安全保障」の観点を加えることで、優先順位の付け方や具体的な対策手法は大きく変わってくる点に留意する必要がある。
7月9日
経済安全保障における技術流出対策とは(第1回)
経済安全保障における技術流出対策では、サイバー攻撃への対応、内部関係者による不正行為の防止、さらには国家や競合企業による意図的な情報収集活動への対策を含む。これら対策を体系的に導入することで、企業は重要な情報や技術を守りつつ、ステークホルダーからの信頼を確保し、長期的な競争力を維
6月1日
ロシア諜報事件によるスパイ事件が示す日本の課題
相次ぐロシア機関員によるスパイ事件ーー日本はどう対応すべきか。
本稿では、ロシア機関員によるスパイ事件の実態と、本件が突き付けた課題、そしてスパイ防止を巡る議論について論じる。
1月20日
台湾TSMC技術流出事件が与えた日本企業への示唆(前編)
今回のTSMC機密漏洩事件が示したのは、日本企業にとって自社の知らない所で社員が他社の機密情報を窃取・持ち込みする事態への対策がいかに困難かという点である。
2025年8月23日
ARCHIVES
bottom of page

